固定費は「年払い」を月額に割り戻して並べる|自賠責は11月に6.2%上げ、損保大手も10月改定【2026年9月】

  • 2026.09.14
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毎月の明細に出てこない固定費を月額に割り戻す

固定費を見直すとき、多くの人はスマホ代や電気代、サブスクのように毎月引き落とされる支出から始めます。一方、車や住まいにかかる保険と税金は、年1回や2〜5年に1回まとめて払います。そのため、月々の家計簿の固定費の欄に入っていないことがよくあります。金額が見えていないので、値上げがあっても請求が来るまで気づきにくいのが難点です。

この記事では、固定費を支払いの周期で3つに分けます。すべてを月額に直してから、削る順番を決めます(情報は2026年9月14日時点)。

  • 月払い:通信費、電気・ガス、サブスクなど
  • 年払い:任意の自動車保険(年払い契約の場合)、自動車税(種別割)など
  • 複数年払い:自賠責保険(車検のときに24か月分など)、火災保険(長期一括払いの場合)など

月額への直し方は簡単です。1年分なら12で、24か月分なら24で、5年分なら60で割ります。総務省の税率表では、2019年10月1日以降に初めて新規登録した自家用乗用車のうち、総排気量1,000cc超1,500cc以下の自動車税(種別割)は年30,500円です。月額にすると約2,542円になります。自賠責保険(自家用乗用自動車・24か月・離島と沖縄県を除く)の現在の基準料率17,650円は、月額で約735円です。

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2026年秋〜2027年春に予定・報道されている保険料の改定

年払い・複数年払いの固定費に関わる改定を、時期の早い順に並べます。自賠責は損害保険料率算出機構の届出資料、任意保険と火災保険は各社の方針を伝えた報道に基づいています(2026年9月時点)。

  • 2026年7月:損害保険ジャパンが自動車保険料を平均約1.8%引き上げ(実施済み)
  • 2026年10月:東京海上日動火災保険が自動車保険料を平均約6.5%引き上げ。報道では、2024年1月以降で4回目、過去2番目の上げ幅とされています
  • 2026年10月:損害保険ジャパンが個人向け火災保険料を平均約3%引き上げ。値上げは2024年10月以来です。一戸建ては最大1割程度上がり、マンションは最大3割程度下がる可能性があると報じられています
  • 2026年11月1日:自賠責保険の基準料率が平均6.2%上がります。11月1日以降に保険期間が始まる契約が対象です
  • 2027年1月:損害保険ジャパンが自動車保険料を平均約5%引き上げ
  • 2027年4月:MS&ADホールディングス(三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)が、自動車保険で約6%、火災保険で約5%の引き上げを検討。2026年5月の報道時点では「検討」の段階です

数字はいずれも平均です。実際の改定率は、車種や等級、建物の構造、所在地などの条件で変わります。自分の契約への影響は、更新案内や保険会社の公式発表で確認してください。どの改定にも共通するのは、新しい保険料は改定後に新しく入る契約や更新する契約から適用されるという点です。同じ値上げでも、家計に響き始める時期は家庭ごとの更新月で変わります。

削る順1位:任意の自動車保険は毎年、中身を選び直せる

最初に見直したいのは任意の自動車保険です。多くの契約は1年ごとに更新され、そのたびに補償の範囲や保険会社を選び直せます。値上げの影響を受けやすい一方で、自分で変えられる部分も一番大きい固定費です。

値上げ額を月額でつかんでおきましょう。仮に年間保険料6万円の契約が6.5%上がると、年3,900円、月額では約325円の負担増です。1回分だけなら小さく見えます。ただ、東京海上日動は2024年1月以降で4回目、損保ジャパンは7月に上げたあと2027年1月にも上げる予定です。更新のたびに値上げが積み重なる点に注意してください。

更新案内が届いたら確認したい項目

  • 運転者の範囲と年齢条件:子どもが独立して運転しなくなった、同居家族の年齢が上がったなど、家族の変化が反映されているか
  • 車両保険の有無と自己負担額(免責金額):車の時価が下がっても、購入時と同じ条件のままになっていないか
  • 使用目的や年間走行距離の区分:通勤に使わなくなった、走る距離が減ったなどの変化がないか(区分の決め方は保険会社ごとに違います)

削る順番は、自分の車の損害を補う部分から考え、事故の相手への賠償に関わる補償は簡単に削らない、とすると判断しやすくなります。複数の会社で見積もりを取るときは、補償内容をそろえて比べてください。そろえないと、なぜ安いのかが分からなくなります。

削る順2位:火災保険は次の更新で、構造と水災の条件を見直す

火災保険は更新の間隔が長く、見直せる機会が限られます。損害保険料率算出機構は2021年、自然災害のリスクを長い期間で見積もるのが難しくなったとして、参考純率(保険料の目安になる数値)を使える期間を最長10年から最長5年に短くしました。今は最長5年の契約が一般的で、一括払いなら保険料を払うのは5年に1度です。

保険料の決まり方も変わっています。同機構は2023年6月、住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げました。同時に、それまで全国一律だった水災の料率を、市区町村ごとに「1等地」から「5等地」までの5段階に分けています。最も高い地域と低い地域の差は約1.2倍です。参考純率は各社に使用が義務付けられた数値ではなく、実際の保険料は各社が決めます。それでも、同じ家でも場所によって値上げ幅が変わる仕組みになりました。

さらに、損保ジャパンの10月の改定では一戸建ては上がり、マンションは下がる可能性があると報じられています。建物の構造によっては、値上げではなく値下げになることもあり得ます。「火災保険はどこも値上げ」とひとまとめにせず、自分の建物がどちらに当たるかを更新案内で確認しましょう。

月額に直すと、仮に5年一括10万円の契約は月約1,667円です。3%上がっても、差は月50円ほどです。値上げ幅だけでなく、建物の保険金額が今の建て直し費用に合っているか、家財の保険金額が多すぎないかも確認しておきましょう。水災補償については、同機構が「ハザードマップを見て補償を外す人が増えている」ことに懸念を示しています。自治体のハザードマップで浸水や土砂災害のリスクを確かめたうえで、慎重に判断してください。改定の前に契約を切り替える場合は、今の契約を途中で解約したときに戻るお金(解約返れい金)の有無と金額を、保険会社か代理店に必ず確認してください。

最後に回す:自賠責と自動車税は削るより積み立てる

自賠責保険は、損害保険料率算出機構が計算する基準料率で保険料が決まります。同機構によると、今は会員の保険会社すべてがこの基準料率を使っています。保険会社を替えても保険料は基本的に変わりません。

その自賠責が、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約から平均6.2%上がります。同機構の資料にある主な車種(24か月契約、離島と沖縄県を除く)の改定額は次のとおりです。

  • 自家用乗用自動車:17,650円→18,560円(910円、5.2%増)
  • 軽自動車(車検のある車):17,540円→18,660円(1,120円、6.4%増)
  • 一般原動機付自転車:8,560円→9,630円(1,070円、12.5%増)

自家用乗用自動車の場合、月額は約735円から約773円になり、差は月40円弱です。同機構のグラフを見ると、この料率が上がるのは2013年度以来です。新しい料率が使われるかどうかは、手続きをした日ではなく保険期間が始まる日で決まります。車検に合わせて更新する自賠責の開始日が11月1日以降なら、新しい料率になると考えておきましょう。

自動車税(種別割)も排気量などで決まるので、車を替えるか手放す以外に下げる方法はありません。この2つは削る対象ではありません。月額に直した分を毎月積み立て、車検や納税の月に家計が苦しくならないようにするための項目です。

まとめ:更新月を書き出して削る順を決める

年払い・複数年払いの固定費を、削りやすい順に並べ直すと次のとおりです。

  • 1. 任意の自動車保険:毎年の更新時に、運転者の条件、車両保険、保険会社を選び直せます。値上げの影響がいつから出るかは更新月で決まります
  • 2. 火災保険:最長5年ごとの更新時に、建物の構造、保険金額、水災補償を確認します。構造によっては下がる可能性もあります
  • 3. 自賠責保険・自動車税:会社選びや条件で下げる余地はほとんどありません。月額に直して積み立て、11月以降の自賠責の値上げ分も予算に入れておきます

まずは保険証券や納税通知書を集め、「支払いの周期」「次の更新月」「月額にするといくらか」の3つを1枚にまとめてみてください。毎月の明細だけでは見えなかった固定費が一覧になり、通信費や電気代と同じ基準で比べられます。更新月が近いものから早めに見積もりや条件を確認しておくと、慌てずに判断できます。各社の改定内容は変わることがあるので、最終的には保険会社の公式発表とご自身の更新案内で確認してください。

参考にした情報源

※ 本記事は 2026年9月14日 時点で公開されている情報を元に作成しています。制度や仕様は変更されることがあるため、判断の前に公式の発表をご確認ください。

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