個人事業主の通信費は、私用と事業用が混ざっていれば「業務で使った割合」の分だけ経費にできます。割合に全員共通の正解はなく、利用時間や日数などの根拠をもとに自分で決めて記録するのが基本です。この記事では按分の決め方を整理したうえで、按分率より手取りへの効果が大きい「月額そのものを下げる」方法を数字で比べます。
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通信費を経費にできる基本ルール
結論:事業と私用が混ざった通信費は「家事関連費」として扱い、業務に必要だったと区分できる部分だけを経費にします。
国税庁のタックスアンサー「No.2210 必要経費の知識」では、家事関連費を経費にできるのは「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます」と説明されています。対象になる通信費の例は次のとおりです。
- スマートフォン・携帯電話の月額料金(通話料・データ通信料)
- 自宅の光回線・モバイルルーターの料金
- 業務用の固定電話・FAXの料金
事業専用に契約した回線なら、私用と混ざらないので按分の必要がなく、その回線の料金は全額が経費の候補になります。
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「50%以下でも経費にできるか」の判断基準
結論:業務で使った部分が50%以下でも、その部分を明らかに区分できれば経費にできるとされています。
所得税基本通達45-2では、業務に必要な部分が50%を超えるかどうかで「主たる部分」を判定するとしたうえで、ただし書きで「50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合」にはその金額を必要経費に算入して差し支えないとしています。また45-1では、判定は業務の内容や支出の内容などを総合的に見て行うとされています。
つまり大事なのは割合の大小よりも、その割合をどう計算したかを説明できる記録があるかどうかです。確認した国税庁の資料には、個人事業主の通信費について職種ごとの一律の割合は書かれていませんでした。「何割なら安全」という目安をそのまま使うのではなく、自分の使い方から計算しましょう。
按分割合の決め方を比較表で選ぶ
結論:使い方に一番近い基準を1つ選び、計算式と元データを毎年残すのが現実的です。
代表的な按分基準を、根拠の作りやすさで比べると次のとおりです。
| 按分基準 | 計算例 | 向いている人 | 残す根拠 |
|---|---|---|---|
| 業務時間の割合 | 業務8時間 ÷ 起きている16時間 = 50% | 在宅で作業するフリーランス | 業務時間の記録・勤務表 |
| 業務日数の割合 | 月20日 ÷ 30日 ≒ 67% | 稼働日がはっきりしている人 | カレンダー・稼働記録 |
| 通話明細の割合 | 取引先との通話60分 ÷ 全通話100分 = 60% | 電話での連絡が多い人 | 通話明細 |
| 回線を分ける | 事業用回線は100%・私用回線は0% | 根拠作りの手間を減らしたい人 | 契約書・請求書 |
按分の手間を一番減らせるのは、最後の「回線を分ける」方法です。事業用回線の料金が安ければ、2回線にしても合計額が増えすぎずに済みます。
記帳のしかたと計算例
結論:勘定科目は「通信費」とし、年末にまとめて按分するか、毎月按分後の金額で記帳します。
月額2,178円のスマホを業務割合60%で按分する場合の計算は次のとおりです。
- 月額:2,178円 × 60% = 1,306.8円 → 経費は約1,307円
- 年額:2,178円 × 12か月 = 26,136円、そのうち60% = 約15,682円が経費
- 残りの40%(年約10,454円)は事業主貸などで私用分として処理
按分率を決めた計算式のメモ、請求書(利用明細)、業務記録の3点をセットで保存しておくと、あとで理由を説明しやすくなります。
按分率を上げるより月額を下げるほうが手取りは増える
結論:経費にして戻ってくるのは「経費額 × 税率」だけなので、月額そのものを下げるほうが手取りへの効果は大きくなりやすいです。
経費が増えると課税所得が減りますが、手元に戻るのは経費額の全部ではなく、税率をかけた分だけです。以下は所得税と住民税の合計税率を仮に20%とした場合の試算です(実際の税率は所得によって変わります)。
| パターン | 月額 | 按分率 | 経費額/月 | 税の軽減/月 | 実質負担/月 |
|---|---|---|---|---|---|
| A:今のプラン(例) | 7,000円 | 60% | 4,200円 | 840円 | 6,160円 |
| B:Aの按分率を上げる | 7,000円 | 70% | 4,900円 | 980円 | 6,020円 |
| C:20GBプランに変更 | 2,178円 | 60% | 約1,307円 | 約261円 | 約1,917円 |
| D:無制限プランに変更 | 3,278円 | 60% | 約1,967円 | 約393円 | 約2,885円 |
AからBにしても実質負担は月140円しか減りません。しかも按分率を上げるには、それを裏づける根拠が必要です。一方、AからCに替えると月約4,243円、年間で約5万円も実質負担が減ります。判断のポイントは次の3つです。
- 按分率は「実態に合わせて決めるもの」で、節税のために上げるものではない
- 月額の削減は税率に関係なく100%手元に残る
- 2回線に分けても、合計の月額が今の1回線より安ければ按分の手間も減る
月額を下げる選択肢:楽天モバイルの料金
結論:楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は使ったデータ量で料金が3段階に変わるので、事業用のサブ回線にも使いやすい料金体系です。
公式サイトに載っている料金(税込)は次のとおりです。
| データ利用量 | 月額(税込) | 最強家族割適用時 |
|---|---|---|
| 3GBまで | 1,078円 | 968円 |
| 3GB超〜20GBまで | 2,178円 | 2,068円 |
| 20GB超〜無制限 | 3,278円 | 3,168円 |
- 最強家族割は家族1人につき110円引き
- Rakuten Linkアプリからかければ国内通話は無料(0180・0570などで始まる番号など一部は対象外)。アプリを使わない場合は30秒22円
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✅ 申込前に用意するものチェックリスト
結論:次の4点が揃っていれば、事業用回線の追加や乗り換えをすぐに申し込めます。
- 本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード)
- MNP予約番号(今の番号のまま乗り換える場合。今の携帯会社がMNPワンストップに対応していれば不要)
- 支払い方法(クレジットカードまたは口座情報)。事業用回線なら事業用のカード・口座にしておくと記帳が楽になります
- 使う予定の端末がSIMロック解除済みかどうか
まとめ:按分は実態どおりに、節約は月額で
結論:按分率は根拠をもとに実態どおりに決め、手取りを増やすには月額そのものを見直すのが王道です。
- 経費にできるのは、業務に必要だったと明らかに区分できる部分(国税庁 No.2210)
- 50%以下でも区分できれば経費にできる(所得税基本通達45-2)
- 按分率を10ポイント上げても、上の試算では月140円しか変わらない
- 月額7,000円から2,178円にすれば、実質負担は年約5万円減る
月額の見直しをするなら、楽天グループ従業員が運営する紹介プログラム経由 で最大14,000ポイント還元の対象になります。(リンク先で楽天IDログイン→そのまま申込できます) 自分の使い方に合うかどうか迷う場合は、LINEで個別相談 (無料・24時間以内に返信) もご利用ください。なお、税務上の個別の判断は税理士や税務署に確認してください。
よくある質問
- Q. 個人事業主の通信費は何割まで経費にできますか?
- A. 全員に当てはまる決まった割合はありません。業務で使った部分を利用時間・日数・通話明細などで合理的に区分し、その割合分を経費にします。事業専用の回線なら、その回線は全額が対象になり得ます。
- Q. 業務での使用が50%以下でも経費にできますか?
- A. 所得税基本通達45-2では、業務に必要な部分が50%以下でも、その部分を明らかに区分できればその金額を必要経費に算入して差し支えないとされています。区分の根拠を記録しておくことが前提です。
- Q. 按分の根拠は何を残せばよいですか?
- A. 業務日数のカレンダー記録、通話明細、業務時間の記録など、割合の計算の元になった資料を残します。例えば週5日・1日8時間の業務なら、計算式とその元データをセットで保存しておくと説明しやすくなります。
- Q. 按分率を上げるのと月額を下げるのはどちらが効果的ですか?
- A. 手取りへの効果は月額を下げるほうが大きくなりやすいです。按分率を10ポイント上げても戻るのは税率分だけですが、月額7,000円を2,178円にすると月4,822円がそのまま浮きます(税率は人により異なります)。
参考にした公式情報
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