固定費は「次の更新日」が近い順に見直す|自動車保険の参考純率14.4%上げ・火災保険は10月改定【2026年8月】

  • 2026.08.17
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固定費は「金額の大きい順」ではなく「次に触れる日が近い順」に並べる

固定費の見直しは、つい金額の大きいものから手をつけたくなります。ただ家計の項目には、いつでも変えられるものと、決まった日にしか変えられないものが混ざっています。スマホのプランやサブスクは思い立った月に手続きすれば翌月から効きます。一方で自動車保険や火災保険は、満期日や更新日を逃すと、次に条件を動かせるのは1年後、契約によっては5年後です。

そこでこの記事では、固定費を「見直しの窓口が閉じるまでの近さ」で並べ替えます。金額が小さくても窓口が先に閉じるものを上に、金額が大きくても窓口が常時開いているものを下に置く、という順番です。判断基準は削減額の大小ではなく、取りこぼしたときに後から取り返せるかどうかです。

2026年後半は、この並べ方の価値が高い局面です。損害保険の料率見直しが相次いでいて、更新のタイミング次第で同じ条件でも保険料が変わるためです。以下に挙げる数値・日付は、いずれも2026年8月時点で公表または報道されている内容です。

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最優先は自動車保険|参考純率が平均14.4%の引き上げに(2026年6月)

損害保険料率算出機構は、2026年6月23日付で金融庁長官に自動車保険参考純率の変更を届け出て、6月30日に適合性審査結果通知を受領したと公表しています。同じ日付で、傷害保険参考純率についても届出と通知受領が行われています。

報道によれば、今回の自動車保険参考純率の改定幅は全国平均で14.4%の引き上げとされ、前回2024年6月の改定(平均5.7%引き上げ)を大きく上回り、同機構が発足した2002年以降で最大の改定幅とされています。理由としては、対物賠償責任保険や車両保険の1件あたり支払保険金が上がっていること、修理の工賃単価や部品価格といった物価の上昇が挙げられています。

「参考純率が14.4%上がる」=「保険料が14.4%上がる」ではない

ここは誤解が生まれやすいところです。参考純率は、保険金の支払いに充てられる純保険料部分の目安として算出・提供されるもので、契約者が実際に払う保険料そのものではありません。保険料には各社の事業費なども含まれますし、参考純率を使うかどうか、いつ・どの程度反映するかは各社が個別に判断します。

実際、各社の対応は同じではないと報じられています。損保ジャパンは2026年7月に平均1.8%の引き上げ、東京海上日動火災保険は2026年10月に平均6.5%の引き上げを予定し、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは2027年1月の改定を見送って2027年4月ごろに約6%の改定を予定している、といった内容です。つまり、同じ参考純率の改定を受けても、値上げが自分の契約に届く時期は加入先によってずれます。自分の保険料がどうなるかは、加入している保険会社の公式発表と更新案内で確認してください。

満期日にしか動かせない項目を、案内が届く前に決めておく

自動車保険で条件を組み替えられるのは、原則として満期のタイミングです。運転者の範囲(本人限定・家族限定など)、年齢条件、年間走行距離区分、車両保険を付けるかどうかとその免責金額、弁護士費用特約や個人賠償責任特約の重複——このあたりは、更新案内が届いてから数日で判断するには重い項目ばかりです。満期日の1〜2か月前に案内が届く会社が多いので、値上げ局面では届く前に方針を決めておくほうが落ち着いて選べます。

火災保険は窓口が最長5年に1回|2026年10月の改定は各社独自のもの

火災保険は、自動車保険よりさらに窓口が遠い固定費です。2022年10月以降に始まる契約では保険期間が最長5年に短縮され、それ以前にあった10年契約は結べなくなりました。裏を返すと、いま5年契約に入っている人は、次に補償内容へ手を入れられるのが数年先ということです。

火災保険参考純率の直近の改定は、損害保険料率算出機構が2023年6月21日に届け出て6月28日に適合性審査結果通知を受領したもので、住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げ、あわせて水災に関する料率を地域のリスクに応じて5区分に細分化する内容でした。これが各社の商品に反映されたのが2024年10月ごろのタイミングです。

その後、2026年5月28日の日本経済新聞の報道によれば、損保ジャパンは2026年10月から個人向け火災保険料を平均3%、企業向けを1.2%引き上げると発表しています。2024年10月に1割程度引き上げて以来、2年ぶりの改定で、新しい保険料は2026年10月以降に新規加入するか契約を更新する契約者に適用されるとされています。理由は、持続的なインフレによる家屋や工場の修理費上昇です。

ここで押さえておきたいのは、2026年10月の引き上げは新しい参考純率の改定によるものではなく、各社が独自に決めている改定だという点です。「2026年10月に業界全体で過去最大の値上げがある」といった言い方も見かけますが、2026年8月時点で公表されている火災保険参考純率の最新改定は2023年6月届出のものです。自分の保険料が上がるかどうかは、加入先各社の発表を個別に確認する必要があります。

更新案内が届いたら、その場で確認したいのは補償の中身です。水災補償を付けるか(ハザードマップ上の立地と5区分の料率)、地震保険を付帯するか、家財の保険金額は実態に合っているか、免責金額をいくらにするか。保険料を下げる操作は、多くの場合そのまま補償を削る操作でもあります。値上げ局面で安いほうへ寄せる判断は、支払われないケースが増えるリスクとセットで考えてください。

年に1度しか窓口が開かない固定費|社会保険料と国民年金の前納

社会保険料は、契約者側で料率そのものを動かせない固定費です。全国健康保険協会(協会けんぽ)の令和8年度(2026年度)の健康保険料率・介護保険料率は、公式サイトによれば3月分(4月納付分)から適用されています。全国平均の健康保険料率は9.90%で、前年度の10.00%から0.10ポイント引き下げられ、34年ぶりの引き下げになると報じられていますが、料率は都道府県ごとに異なるため、自分の該当する率は協会けんぽの公式一覧で確認してください。

動かせないものが多い一方で、年に1度だけ窓口が開くものもあります。国民年金保険料の前納がその例です。日本年金機構が公表している令和8年度の口座振替による割引額は、2年前納が17,370円、1年前納が4,510円、6か月前納が1,220円、当月末振替(早割)が60円です。このうち4月開始の2年前納は、申出書を2月末日までに提出(必着)する必要があるとされています。年に1回、しかも数か月前に締め切られるタイプの窓口なので、来年度に使うつもりなら年内のうちにカレンダーへ入れておく類の項目です。

「いつでも変えられる固定費」は順番が後ろでも損しにくい

通信費やサブスク、電力・ガスの契約は、原則としていつでも変更できます。だからこそ、この記事の並べ方では順番が後ろになります。金額として小さいという意味ではありません。毎月効き続けるぶん総額は大きくなりますが、今月手をつけなくても来月手をつければ同じ効果が得られる、という意味です。

ただし「いつでも」が成り立たない例外は先に確認しておく価値があります。光回線の工事費残債、端末の分割支払い残、キャンペーン適用に伴う一定期間の継続条件、年払いのサブスクの契約更新日——これらがあると、解約や乗り換えの実質コストが表示価格と変わります。棚卸しの段階では金額を比べる前に、違約金や残債の有無だけ先に洗い出しておくと、後で判断が速くなります。

2026年8月に手を動かすなら、この3ステップ

順番を決めたら、あとは作業です。以下の3つに絞ると、8月中でも現実的に終わります。

  • 満期日を書き出す。自動車保険、火災保険(地震保険を含む)、医療保険、賃貸の契約更新について、保険証券や契約書類から満期日・更新日だけを一覧にします。金額はこの段階では見なくて構いません。
  • 2026年秋から2027年春に満期が来るものを先に検討する。自動車保険は参考純率改定の反映時期が各社で異なり、火災保険は10月以降の新規・更新から新料率という会社があります。更新案内が届いてから考えるのではなく、届く前に方針を決めておくと選択肢が残ります。
  • いつでも動かせるものは、違約金・残債の有無だけ確認して月末にまとめる。通信・サブスク・電力ガスはここで一括処理します。締切がないぶん、他の作業の後ろに置いて問題ありません。

この記事の数値と日付は2026年8月時点のものです。保険料率や制度は改定が続いており、実際の保険料は契約条件や地域、各社の商品設計によって変わります。判断の前に、加入先の保険会社および公的機関の公式発表を必ず確認してください。

参考にした情報源

※ 本記事は 2026年8月17日 時点で公開されている情報を元に作成しています。制度や仕様は変更されることがあるため、判断の前に公式の発表をご確認ください。

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